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alea jacta est

January 29, 2008

アーキテクトン

おことわり

このレビューは最初、「まちがったルール理解」に基づいて書きました。間違っていた部分は、説明の中で追記して直していますが、印象を書いた部分は、最初のものから変えていません。以下の覚え書きのトーンは、まちがったほうのルールの印象にもとづいたものだ、ということです。

正しいルールでも、全体的なプレイ感は変わりませんでしたが、ここに書いてあるほど苛烈な印象にはなりません。その点割り引いてお読み下さい(でも、面白いですよ!)

前文

カルカソンヌみたいなタイルめくりゲームかと思ったら、駿河城御前試合であった。

「アーキテクトン」についての情報:建築士(PGDB) / Architekton(BGG)

(図は書きかけです)

システム概略

f:id:mutronix:20080129131722p:image

  • 二種類のタイルが合計で30枚くらい
    • 単色の「地形」タイル
    • 四方に色のついた「地所」タイル
  • 地形と地所が交互に隣り合うように配置していく(地形の隣は地所/地所の隣は地形)
  • 「地所」タイルの四辺に描かれた色は、その隣に接するべき「地形」の色を表している

手番では、オープンされている6枚(家3/地形3)のタイルの中から、家/地形を自由に2枚取って配置する。

自分が置いた地所タイルの上には、自分の所有を表す「家」コマを配置する。

f:id:mutronix:20080129131721p:image

家の周囲の四辺が地形で埋まったら、その家を決算して、得点を貰う(1点)。

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得点を貰っても、家コマは取り除かず、そのまま。

これを繰り返していき、引くタイルがなくなったら、ゲーム終了。自分の家が2個以上つながったグループ(家の隣は地形なので、家同士は斜めにつながった形になる)を作っていたら、グループを構成する家、ひとつにつき1点がボーナスとして入る。

決算で得た得点とボーナスを合計して得点が多いほうが勝ち。

ね、簡単でしょう?

不穏な空気

しかし、ルールには、こうも書いてある。

  • 最初、各プレイヤーは、手元に1点ぶんのチットを持っている

家が完成したときのスコアが軒並み1点、というのが異常に低いことはさておいても、得点差のみが問題になるはずの2人対戦のゲームで、初期値1点ずつ持っているとは、どういう意味か…?

「続きがございます」

実は、上のルールは、完成した家の周囲が、首尾良く全て正しい地形だったときの話。

このゲームでは、家の周囲の地形の辻褄が完全にあっていなくても、配置してかまわない(カルカソンヌのように、「配置してはいけない」ではない)。

そのかわり、色が合わないと、家の決算時、合ってない色の数だけ、点数が引かれる。

f:id:mutronix:20080129132311p:image

  • 隣り合う色が合っていなくても、地形・家タイルを置くことができる。
    • 追記: ただし、地形・家を置くときに、少なくとも一辺は色が合っている必要がある。他人が置いた家のまわりにいきなり違う色の地形をつけて点を奪いにいくことはできない。
  • 家の周囲が埋まり完成したとき、周囲のタイルにあっていないものがあるとき、決算では、得点にならないばかりか、得点を引かれてしまう。
    • 家に隣接して、色が合っていない地形の数 * -1点。
    • 追記: タイルを置くときに、一辺の地形はかならず合わせておくきまりなので、家のまわりの、地形のずれによる失点は最大3辺 = -3点。
  • 家でマイナス決算になってしまったら、その家をその場で手放す(=その家を失う)ことで、1点ぶん、減点を軽減してよい。
  • それでも失点がある場合は、手元の得点チットで支払う。
  • 減点の決算が起きたとき、家で軽減しても、得点を払えなかったら負け

何これ?

サドンデス

この減点ルールは、何を意味しているか。

自分の手番でプレイヤーは、2枚タイルを選んで配置する。配置できるタイルは、「地形」でも「家」でも自由に2枚を選べる。これは最初に書いたとおり。

ということは、相手プレイヤーが建設中の、周囲が2枚空いている家に対して、間違った「地形」タイルを、ほいほい、と、2枚くっつけることもできる。

それだけで、相手は-2点。

相手は、今建てたばかりの家を手放し、それだけでは足りないから、得点チットを1つ捨てなければいけない。

両プレイヤーは、得点チットを最初に1つずつしか持っていないわけだから、同じことをもう一度繰り返すと、相手は負ける。

カルカソンヌではない

…つまり、このゲームで足したり引いたりする「得点」というのは、実際には「ライフポイント」のようなものなのです。だから最初にお互い1ずつ持ってるわけですね。

感想 : 何をするゲームか

相手が綺麗な地形を完成させるのを、「おーできたねー」と手ぶらで見逃すことは、このゲームにおいては、まずありません。

相手の家の周囲に間違った地形をくっつけることで、相手の命を奪いに行くのが基本です。得点を獲ることよりも、相手の得点を下げて殺すことに重きを置くように、デザインされているようです。

感想 : シャハトらしい

うっかりするとゲーム開始後数ターンで死にます。注意が必要です。

相手と自分とで家を斜めに隣接させて「共通の待ち」を作って、局所的な休戦地帯のようなものをもうけることもできます。

…しかし、それは絶対ではありません。そういった共通の待ちの場所にも敢えてゴミを置いて、自分のダメージを省みず相手の息の根を止める、ということも、戦術としてはありえるのです。

サドンデスが起きずに最後までタイルが引かれきると、家グループによるボーナスが貰えると、最初に書きました。しかし、このゲームは殺しが基本なのです。ボーナスを貰えることなんてあるんでしょうか…?

真剣を用いた御前試合で、両者満身創痍で引き分けたところに「あっぱれあっぱれ、褒美をとらすぞ」とアホの殿様が高笑いしているようなものです。一歩間違えれば即死の戦いを2人してくぐり抜けたというのに、最後にボーナス点で決めようって、なんだよそれ!

シャハトらしい一作(勝者=デザイナー。プレイヤー全員敗者)。

pgdbのコメント

評価が割れていますが、カルカソンヌの一種を期待してしまった方の評価が4点で、御前試合と思ってる方の評価が8点、ということじゃないかと思います。私にとっては8点でした。