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alea jacta est

September 30, 2008

キープクール

フル面子の6人。私は中国*1を担当。

どんなゲームか

地球温暖化を食い止めるため、各国で協力してリソースを再分配し、産業をエコ化する。

自国の経済目標(=利己的な目標)を達成したプレイヤーが勝利するが、皆が自国の利益を追求しすぎて環境が悪化すると、世界が滅亡して、ゲームが終了する。


要素

  • プレイヤーがパラメータとして扱う要素は3つ。この3つを、リソースである「お金」を使って上げていく。
    • 「黒い工場(非エコな産業)」→収入源(低コスト)
    • 「緑の工場(エコな産業)」→収入源(高コスト)
    • 「赤い傘(環境対策)」→ときどき発生する災害の回避
  • 各プレイヤーは6つある国・地域のうち一つを選ぶ。
  • その国の「経済目標」「政治目標」の両方を達成すれば勝ち。
  • 経済目標=「自分の国は何個工場を建てなければいけないか」。
    • 各国最初に決められて、公開されている。
    • 目標には地域差がある。
    • 先進国ほどアガリへの要求工場数は大きい。(そのかわり、初期値として持っている工場も多い)
  • 政治目標=「各国に働きかけて世界全体をどのようにしなければいけないか」
    • カードで配られて、非公開。カードには、エコ/非エコそれぞれの方向性で、達成する目標が一つずつ、書かれている。
    • 「黒い工場を全部で21以上にする」「黒い工場を全部で18に抑える」など。
    • ふたつの目標のうちどちらか一つを達成すればよい。

進行

  • 自国の工場から収入が入り、そのお金でさらに工場を増やし、収入力を伸ばしていくのが基本。
  • 黒い工場は安価だけど、環境への負荷が高い。緑の工場は逆。
    • 手番開始時、自分が持っている黒い工場のぶんだけ、全体の「温暖化ゲージ」からチットをとって収入にする(棒に50個くらいワッシャーが挿してある)。緑の工場は、ゲージにセットされていないストックから収入にする。
  • チットが減っていくことが、温暖化の進行を意味する。温暖化が進行すると災害も苛烈になる。
    • ゲージのチットが尽きてしまうと、全員敗者。世界滅亡。
  • 交渉ができる。
    • 工場を建てたり、工場建設費用削減のための技術革新のため、他国と自由に交渉して、お金をやりとりしていい。
    • 初期状態で、工場が多い先進国とそうでない国があり、先進国は地球温暖化に対して大きな責任を負うことになる。交渉の中で自然と「途上国の環境問題解決のための援助」などの発想が生まれる。
  • 毎ターンの最初に、カードがめくられて、環境被害がおきる。対象となる国はランダム。温暖化が進行すると被害のときのダメージも大きくなるので、その被害を軽減するために、工場と並行して、環境対策(赤の傘)にも投資しなければいけない。

1.

中国の経済目標(この目標は公開する)は工場を5つ建てること。すでに最初2つ持っているので、あと3つ建てればいい。

カードで配られた政治目標(非公開)は「世界の黒い工場(化石燃料による工業)総数が15以下であること」あるいは「世界の赤い傘(環境対策)総数が16以上であること」。

前者はまぁわかるとして、後者の目標がよくわからなかった。二つの政治目標は相反する方向性の筈だけど…。化石燃料削減と環境対策推進って、方向同じじゃね…?

2.

1ラウンド回してみるが、どうも全体的にピンとこない。旧ソやアフリカに特権があるのはわかるけど、世界の盟主アメリカに何もないって、弱すぎない…?

…というところで、各国の工場の数に、それぞれの初期値があったことに気づく(えーっ)。最初全プレイヤー工場2個で始めてた。

やりなおす時間もなかったので、そのまま、それぞれ工場を増やして続行(中国は、たまたま2個のまんまだった)。

おお、さっきと世界の見え方が全然違うじゃないか。

アメリカはなんか、最初から工場を7つも持っていて、そのうち5つ(?)が黒工場。黒い工場1つにつき温暖化メーターが2ずつ悪化していくから、アメリカが行動するごとに10ずつチットがとられていく。ほっとくとみるみるうちに地球は壊滅するよ! アメリカは責任を持って行動すべき! …と、他国から突き上げが始まる。

3.

一方そのころ中国(私)は、手札の政治目標の「赤い傘(環境対策)16以上」の意味を理解したところだった。

温暖化が進行すると、毎ターン起きる災害の効果がキツくなっていく。それを軽減するために、各国はめいめい、環境対策に投資するという仕組み。

…ということは、環境対策の総数を増やすという目標は、世界各国が環境対策に投資するように、ある程度環境を悪化させる方に動けってことなんですね。みんなに黒い工場を多めに建てさせたほうが、温暖化は進行する→みんな環境対策に慌てる、というわけです。

この目標と、もう一つの「黒い工場を規定数以下」という目標は、確かに相反している。

4.

この、二つの政治目標は、最初からどちらかの目標を選んで決め打ちする類のものではないみたい。どちらも達成できそうな状態が、かなり長く続く。場がエコを指向してるならエコに賛成して、なるだけ孤立しないように、空気を読んで、やりやすいほうの目標を選んでいく必要はあるだろう。

温暖化容認なのか規制強化なのか…どっちともとれる状況下で、プレイヤーの思惑と総意の探り合いと綱引きが、ゲームになってる感じがした。

(…いや…なってるかな…? 交渉してもしなくてもお金は毎ターン入ってくるので、結果はあんまり変わらない気もするけど…)

5.

最初、意味がわからず、とりあえずみんなのため、「緑の工場(クリーンエネルギーによる工業)」を頑張る方向に…と思っていたのだが、このあたりの意味を飲み込み、各国が積極的に環境対策を推進するのを見て取るに、私も態度を玉虫色にあらためた。そうだ、みんなもっと自国の環境対策を頑張るのだ。そのためには黒い工場も、もっといっぱい使うのだ。

ということで、こんな感じの受け答えになる。

「いやぁ、うちとこもいろいろ事情がありまして…OPECさんとも仲良くしていきたいなぁと思いますし、化石燃料の消費推進に関してはやぶさかでもないんですよ…ひとつOPECさん、黒工場の建設にご援助いただけないでしょうか…いえいえ次お返しいたしますし…技術開発にも参画させていただきます…みなさんもどうです? …今はまだ自国の経済のほうが大事じゃないですか? 」

…のらくらと話をはぐらかしながら、ちょっとずつ人から工場資金をいただき、6ラウンド目くらいであがり。どうも中国は、特徴に乏しいぶん、安く早くあがるタイプのキャラだったみたい。

まとめ

最初から「元凶はお前か…! 金よこせ…!」扱いのアメリカと、我関せぬ風情で石油を売りたいOPEC(世界に建っている黒い工場の数に比例して収入にボーナスが付く)のキャラが立っているのがいい。この2国ははずせない。会話や状況の変化を楽しむには最低4人は必要だと思う。

全体的には「協力マルチプレイヤーゲーム。でも大人はケツに火がつきかけても、自分の利益やしがらみで何もしないんだよね~」という味わい。

これやると、「パンデミック」のドクターたちが恐ろしく高潔な人物に見えます。

*1:後で調べたら、BRICsらへんの国々を指してるみたい。中国・インド・南アフリカとか